歯の美白成分として歯磨き粉に入っているポリリン酸は、食品の変色防止剤としても使用されています。

食器用洗剤や洗濯用洗剤にも配合されている、このポリリン酸という成分についてご紹介します。

ポリリン酸とは?

美白成分というと漂白剤として知られる過酸化水素のように刺激の強いものを想像する人もいることでしょう。口に入れるものですから、歯磨き粉に配合して安全なのかは気になるところ。

ポリリン酸は、そもそも人の体内にある成分、リン酸が結合したものです。リン酸はDNAを構成する物質の一つでもあり、人にとってなくてはならないもの。元から体内にあることから、危険物質ではないことが分かります。

また、厚生労働省が一定基準の安全性を認めた食品添加物にもポリリン酸は含まれます。つまり、その他の食品添加物と同じく、一般的な使用量の範囲であれば問題がないものなのです。

ポリリン酸の歯のホワイトニングの効果~白くなる理由~

食品の変色予防や食器などの着色汚れ除去にも活用されるポリリン酸ですが、本当に歯は白くなるのでしょうか。

安全性の項目で説明したように、ポリリン酸は人の体内に元から存在する成分でもあるため、安全性は信頼できるもの。食品添加物にも使用されているので口にしたことのある人は多いでしょう。

ここで管理人がふと疑問に思ったのが、「添加物として食べているのに、私たちの歯は白くなっていない」という点です。

ポリリン酸が歯のホワイトニング効果を持っているなら、それが食品添加物として入っている食べ物を口にしている私たちの歯は、着色汚れ知らずになっていても良いのではないでしょうか。

調べてみたところ、ポリリン酸の汚れ除去効果は歯の表面にのみだということが判明しました。

ポリリン酸が歯を白くするメカニズムは、ポリリン酸が歯の表面にある着色汚れに吸着し、除去することで歯の本来の色を取り戻すというもの。歯の黄ばみの原因でもあるエナメル質内の象牙質部分には、ポリリン酸の効果が浸透することはありません。

私たちがポリリン酸入りの食品を食べたり歯磨き粉を使用したりしても、除去できるのは表面についている着色汚れのみ。歯の黄ばみが象牙質から来ている人の場合、歯が白くなることはないのです。

歯の表面に汚れがあるせいで歯が汚れて見える人の場合は、それなりに効果を感じることは可能です。ただし、歯の本来の色が変わるわけではないので、象牙質の黄ばみが強くなる成人や高齢者は、ポリリン酸でのホワイトニングを行っても劇的な効果を感じることはないでしょう。

しかし、ポリリン酸の安全性と表面の汚れを除去してくれる力に注目するなら、象牙質の黄ばみが少ない子供のホワイトニング成分としては有効だとも言えます。

歯の表面と象牙質の黄ばみ、どちらが汚れの原因か分からないという人も、まずは安価で試しやすいポリリン酸を試してみるのもおすすめです。ポリリン酸で綺麗な白い歯になったら、今後は着色汚れケアを続けつつ象牙質の黄ばみを意識すれば良いと判断できます。

ポリリン酸を上手に使う~長さで異なる効果とはたらき~

ではポリリン酸を含んだものなら何でも良いのか、象牙質が黄ばんでいる人にポリリン酸は無意味なのか、というと、そのようなことはありません。

ポリリン酸はその『長さ』によってはたらきが異なるという特徴をもっています。

<長鎖分割ポリリン酸>

平均鎖長(つながった数)が約130個のもの。抗菌性が高く、真菌(カビなど)やバクテリアに対する抗菌効果が期待できます。虫歯の原因となるミュータンス菌などにも抗菌作用がはたらくため、虫歯予防に活用できます。

<中鎖分割ポリリン酸>

平均鎖長(つながった数)が約60個のもの。生体にもともと存在するタイプと近いため、コラーゲン増産など人の体のはたらきを助けるのに効果的な長さです。創傷の治癒促進効果など、口腔内のダメージに対する効果が期待できます。

<短鎖分割ポリリン酸>

平均鎖長(つながった数)が約14個のもの。歯の着色汚れ(ステイン)に対する除去効果が期待できるタイプです。歯の表面をカバーするはたらきもあり、汚れを除去した後は着色汚れ予防としての効果もあります。

当サイトでも何度も解説してきましたが、歯の汚れの大半は表面についた細かな傷に汚れがこびりつくことで起こっています。その小さな傷を生み出しているのが歯磨きによるダメージと、虫歯菌や食べ物などによる酸蝕です。

象牙質が黄ばんでいる人でも、表面をツルツルな状態に保つと、光の反射効果で若干黄ばみが目立たなくなります。長鎖分割ポリリン酸の抗菌性を活用して虫歯予防をすれば、間接的に歯の美白効果を得られる可能性はあるのです。

着色汚れを期待する人は、短鎖分割ポリリン酸を選びましょう。口内の健康を維持したい人は、中鎖分割ポリリン酸で歯磨きや食事時のダメージに対する治癒力を上げることがおすすめです。

とはいえ、残念ながら市販の歯磨き粉に含まれているものが短鎖分割ポリリン酸なのか、長鎖分割ポリリン酸なのか、中鎖分割ポリリン酸なのかははっきりとしません。明確に書いている商品もある一方、ポリリン酸としか記載されていないものも多いです。

少しでも高い効果を得たいという人は、商品選びの際にポリリン酸のタイプが明記されているものを購入するようにしましょう。ホワイトニング効果を試したい人は、短鎖分割ポリリン酸を選ぶことが重要です。

※短鎖分割ポリリン酸入り歯磨き粉はあるのか?管理人が探してみた結果の記事はこちらです。
→→『ポリリン酸入り歯磨き粉特集』へ






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