こんにちは、管理人のyukiです。私は定期的に歯科関連のニュースをチェックしているのですが、先日、市販の歯磨き粉に関するニュースを発見しました。

1000ppm(0.10%)以下のフッ化物(フッ素)が配合された歯磨き粉しか市販されていなかった日本国内で、ついにこれ以上の濃度のフッ素が配合された歯磨き粉も、医薬部外品として承認されるようになったのです。

つまり、今までよりもフッ素が多く配合された歯磨き粉が市販品でも出回る可能性が高くなったということ。

でも、これって安全なんでしょうか。フッ素関連では今もなお「骨肉腫リスクがある」などの安全性を問題視する声があります。今回は、フッ素の効果と安全性について、改めてまとめてみました。

フッ素が虫歯予防に良い理由とメカニズム

そもそも、フッ素は何故虫歯の予防に役立つと言われているのかについてご紹介します。

まず虫歯ができる理由は、歯の表面が食事や細菌の出すガスなどによって溶けるためです。その後唾液に含まれるカルシウムなどのミネラルのはたらきによってある程度修復される(再石灰化)のですが、これがうまくいかなくなることがあります。

うまくいかない理由は、歯の表面にこまかな傷がついていたり、食べかすや歯石など細菌のエサあるいは住みかとなるものが存在するためです。細菌が歯石の中や傷の中で食べかすなどをエサに繁殖し、ガスを出します。

細菌が出したガスは歯の表面を溶かし、唾液による再石灰化が追いつかない状態となってしまうのです。これがいわゆるう蝕で、進行すれば虫歯などになります。

フッ素は、この虫歯ができる一連の段階のあらゆる場面で役立つものです。

たとえば、食事後の唾液による再石灰化を助けます。フッ素と唾液が反応し、フルオロアパタイトという成分が生まれるのですが、これが歯を強くする鍵となります。また歯表面ではフッ化カルシウムを生成し、再石灰化も手伝ってくれます。

さらには、虫歯の原因となる細菌のひとつ、ミュータンス菌のはたらきを抑制。歯を溶かす酸が吐き出されるのを抑えます。

フッ素によるこれらの効果で、歯の表面は酸に溶けにくくなり、溶けた部分も再石灰化がうながされ、そして虫歯菌がはたらきにくい環境となるのです。フッ素だけで予防も修復もカバーできるということになります。

フッ素を上手に活用するだけで、複数の薬剤を使用する手間なく虫歯予防ができるのは、確かに魅力的です。にも関わらず、日本は今まで法律により一定濃度以上のフッ素を歯磨き粉に配合することが不可となっていました。

また、海外では有効とされる「水道水にフッ素を配合する」方法や、「洗口剤(マウスウォッシュ)にフッ素を入れた商品の販売」も日本では許されていません。それは何故かというと、安全性を疑問視する声もあり、慎重にならざるを得ないためです。

フッ素は危険?虫歯予防に良いとされる成分の安全性

何故、海外では当たり前のように行われているフッ素の水道水配合や、高濃度フッ素のデンタルケア用品の販売が日本では行われていないのでしょうか。

実は、多くの歯科医によって虫歯予防に良いと言われているフッ素ですが、同じく歯科医の立場で「フッ素は危険な毒物だ」と使用を控えている人も少なくないのです。試しにフッ素を使用していない歯科医院を検索してみてください。複数見つかります。

彼らが挙げるフッ素の危険性は、次のようなものです。

  • フッ素を塗っても歯は強くならない(フルオロアパタイトは発生しない)
  • 近年はフッ素による虫歯減少の傾向が見られない
  • 高濃度で摂取、もしくは低濃度で長期間摂取すると害が出る
  • 骨肉腫やダウン症など重病のリスクがある
  • フッ素はADHDの原因として挙げられている

調べてみたところ、これらの情報を紹介しているサイトは、いわゆる「○○は危険だから食べるべきではない!」という情報を手当たり次第に紹介しているサイトでした。エナジードリンクは命の危険がある。などです。

確かにこのサイトで挙げられているような危険な成分の中には、大量摂取すると健康被害のリスクが高まると言われているものもあります。が、すべての人が健康被害をこうむるわけではありません。

たとえば、コーラにはカラメル色素など多くの化合物が入っています。そのため肥満や虫歯だけではなく、がんのリスクも高い成分もたっぷり摂取することになります。が、コーラを飲み続けている人すべてががんを発症しているわけではありません。

私も学生時代はよく昼食代をケチってコーラ1本でお昼を乗り切っていたりしましたが、これといって重病をわずらってはいません。そもそも、もし多くの人が健康被害にあっていたら、そのような商品は政府から販売禁止の処置がとられると思いませんか?

リスクが高いといっても、必ずしも当てはまるわけではないのです。第一、食べ物の危険性を突き詰めるところまで言ってしまったら、水だって大量摂取すると死亡するリスクを持っているものです。

実際に例のサイトで紹介されていたように、フッ素にそのような病気のリスクはあるのか調べてみると、とある歯科医さんのブログでははっきりと「このサイトで書かれていることは眉つばものだ」と切り捨てられていました。

フッ素を塗っても強くならないという説は某大学の教授が自身の研究結果を講演会で話したもので、正式な論文があるものではありません。逆に、フッ素が歯を強くする効果を持つという正式な研究結果と論文が、他の歯科大学から発表されています。

似たような研究が他の大学や海外の大学でも行われており、それらは「フッ素が歯に取り込まれ、歯を強くした」という結果に落ち着いています。

近年はフッ素による虫歯減少の傾向が見られない、という話に対しても、しっかりとフッ素の効果があらわれた研究論文があるため、事実ではないということになりました。

そして最後に健康被害についてですが、これも本当にかなりの量を摂取しなければ起こりえないものです。市販品の歯磨き粉を一度に2本ほど飲み干して、ようやく小さな子供の歯の表面にわずかな異常が見られるか否か、という程度です。

今回のニュースで取り上げられていた1000ppm以上の濃度のフッ素が入った歯磨き粉でも、1本以上は飲み干さなくてはなりません。小さな子がそんな真似をするのは困難ですし、大人に関しては現実的ではありません。

骨肉腫など重病との関連性も、イギリスやアメリカなど日常的に高濃度のフッ素を摂取している地域での研究で無関係という結論が出ている論文が複数存在します。

ADHDとの関連性も、研究自体が穴だらけの有意義なものではなく、フッ素が原因と言い切れるものはありません。このことから、フッ素が健康被害を起こすとは言い切れないのです。

高濃度フッ素の歯磨き粉は安全?使用量に注意

以上のことから、フッ素が100%危険とは言い切れないことが分かりました。とはいえ、濃度によっては異常が発生するものである点に変わりはありません。使用する際は濃度に注意して適切な使い方を心がけましょう。

幸い、日本は水道水にフッ素が添加されていません。そのためフッ素を気にする人も安心して水道水を生活用水として利用できていますし、歯磨き後に口をゆすぐ水としても使えます。

心配な人は、歯磨き後にしっかりと口をゆすぎましょう。また、フッ素が配合されていない歯磨き粉も販売されているので、そちらを使用する方法もおすすめです。

たとえば、当サイトでも体験レビューをご紹介したナイトホワイトニング

↑これ。歯磨きジェルです。

成分表をチェックしてみましたが、フッ素やフッ化物の文字はありませんでした。ポリリン酸入りで歯をコーティングする効果があるため、フッ素を使わなくても歯を保護できます。こういった歯磨き粉を選んでみてはいかがでしょうか。

今回の、高濃度フッ素が配合された歯磨き粉が医薬部外品として認可されるニュース。これにともない、歯磨き粉を製造販売する業者の間でも、パッケージの説明や製造時の注意などを設定しはじめています。それによると6歳未満は使用不可とのこと。

フッ素自体は濃度さえ守れば危険にみまわれることはありませんが、どうしても心配な方は基準がきちんと整備されている日本国内の歯磨き粉を選ぶことをおすすめします。また、成分表のチェックも忘れずに行いましょう。






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